〜 冬の沖縄 〜

礼節を重んじ武器を持たない邦、琉球。
日本と中国の狭間で苦悩し、辛い思いをした歴史がある
首里城の造りが、それを象徴的に物語っている。

沖縄が大琉球と呼ばれていた遥か昔から、或いはもっと以前から
意識される事なく、亜熱帯独特の冬の風は変わらずそこにある。
沖縄は風の島であり、纏わりつく生温い風によって毛穴が開き、体温を奪う
生温い風で冬を実感する。
肌に纏わりつく空気と風、黒々とした雨雲、ヌメり帯びた岩壁
広く一般に知れ渡っている常夏のリゾートといった沖縄のイメージとは違う、
もうひとつの沖縄である
私の体は芯から沖縄の冬の風がしみ込んでいるのであろう
冬の帰郷の度、風は懐かしさと気持ちの安らぎをあたえ、冬を実感させてくれる。